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【連載】農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ(終了)
2018.06.18

農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ/日本農業の英知「農業全書」を読む! No.3

農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ


日本農業の英知「農業全書」を読む! No.3


~巻の二 第十 大豆と書いて「まめ」と読む~


 

320年前に書かれた日本農業の教科書「農業全書」。明治期に至るまでロングセラーとなったこの農業書の金字塔を読み解いていくシリーズ第3弾です。
 
今回は具体的な作物の栽培方法をどう開設しているのか見てみたいと思います。
 
和食といえば「米」が第1に挙げられますが、第2は「大豆」と言ってもいいのではないでしょうか?
味噌・醤油・豆腐・油揚げ・きな粉・・・などなど大豆なくして我々日本人の食は語れません。農業全書においても「大豆」に「まめ」というルビがふってあり、マメと言ったらつまり大豆というぐらい代表的な作物であったということがわかります。

私の畑でも毎年「大豆を育てて味噌づくり体験」を実施しているのですがここのところ毎週大豆をまいています。枝豆ねらいの場合は春まきで、そろそろ収穫時ですが、大豆ねらいの場合はまさに今が作付け時期で、8月末~」9月にかけて枝豆収穫も可能です。
 
さて、農業全書 巻の二「五穀の類」から大豆を読んでいきましょう。
これまたのっけから読みごたえがあります。
 

「大豆色々あり。黄白黒青の四色あり、このほか、つぶの大小、形のまるき平き、その外さまざま多し。又つる大豆あり。」


 
ここまで読んで、あれ?つる大豆ってなに?
とまず引っ掛かります。
 
調べてみると、おそらく雑草の「ツルマメ」とその交雑種の事ではないかという仮説が立ちました。ツルマメとは大豆の原種と言われている雑草で、大豆との交配もしやすいそうです。
 
マメが小さく収量も少ないので現代では栽培作物とはなっていませんが、300年前のこのころにはまだつる性の大豆栽培というものもあったのですね。おそらく半放置栽培だったのではないかと思います。
 
現代でも、肥料のやりすぎで実がならずに株ばかり大きくなった枝豆のことを「ツルボケ」と言いますがその名残かもしれません。

具体的な栽培方法として書かれていることは次の通りです
 

  1. 3月上旬の植え付けがベスト 夏秋大豆は5月中旬~6月上旬

  2. 痩せ地には灰をまくのがいい(PH改善とカリウム補給を意味すると思います

  3. 花の咲くころの乾燥に注意

  4. 連作はよくない


 
この辺りは今の教科書とほとんど変わりがないですね。
あと気になるところで漢字が読めない(字画検索などでもでてこない)ものがあって、完読はできていないのですが、面白い漢字で
「芸る」というのがありました。
大豆のパートの最後はこう締めくくられています。
 

大豆を芸ぎる時雨露のあるおりには必ず手を触るべからず。葉に蟲の付くものなり。


 
「芸る」とは「くさぎる」と読むようでつまり、道具を使って土をひっかいて雑草をとることを意味するようです。
芸事というといわゆる芸能をイメージしますが、そもそも園芸、農芸というように「芸」は一義的には農業技術を意味していたようなんです。
 
なのでこの文章を解読すると

「雨露のときには中耕しないように、葉に虫がつきますよ」


ということとなります。これが雑草の虫が大豆に移るという意味なのか、病気になりやすいという意味なのかはちょっと私の理解力では分かりかねますが、最後にこれを書いているということはとにかく雨の日の作業は避けたほうがよさそうですね。

 
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文・写真  小野淳
㈱農天気 代表取締役 農夫
NPO法人 くにたち農園の会 理事長
東京・国立市を拠点に幅広く農体験を提供
「都市農業必携ガイド」(農文協)
監修・実演「菜園ライフ~本当によくわかる野菜づくり」(NHKエンタープライズ)
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