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【連載】農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ(終了)
2018.09.21

農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ /落花生~その不思議な生きざまとルーツ~

農天気代表 小野淳さんの『農』天気ブログ


落花生~その不思議な生きざまとルーツ~




夏の終わり、秋の始まりが日々感じられます。

私の暮らすのは水田地帯なので、この時期になると水田が黄金色になってどこかでコンバインを運転する音が聞こえてきます。

夏野菜と秋冬野菜の端境期で収穫物が少ない時期ではありますが、今がまさに旬なのが落花生です。

家庭菜園で栽培している方はこの時期のとれたてゆで落花生を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

私もこの時期は落花生を収穫してすぐ茹でるという新鮮体験を皆さんに提供することが多いです。

しかし、いつも思いますが落花生って不思議な作物ですよね?

 


※落花生の葉、マメ科らしく丸くてかわいい形をしています

 

もちろんマメの仲間なのですが「落花生みたいな野菜」って他に思い当たりません。

「地上に咲いた花から、トゲみたいなものが伸びて地面に刺さって地下で育つ」

こんな野菜他にありませんよね?

見たことのない方向けに解説すると

▼これが落花生の花



▼花が散るとそこからトゲのようなものが



▼にゅにゅにゅと伸びて地面に刺さり



▼刺さった先でこのように大きく育つ



枝豆もインゲンもソラマメもみんな素直に枝にマメをつけるのになんとも不思議な実のつけ方をします。こういう謎に突き当たった時は原種を調べるとわかることも多いのでちょっと調べてみました。

 

落花生が日本にやってきたのは中国経由で1700年代、元禄ごろと言われています。

長崎では「南京豆」、沖縄では「地豆」(ジーマ)と呼ばれたりもします。現在の産地となっている千葉県で広がったのは明治初期。肥料が少なくてもよく育つということで困窮作物としてまずは広がったとのことです

元をたどれば原産地は南米でボリビアなどにはいまだに野生種が確認できるとのことですが、写真を探したもののなかなかいいのが出てきません。ちなみに原種は基本的に1サヤに1豆となっていて、現在オーソドックスになっている1サヤ2豆は品種改良の結果です。

4000年前の南米の遺跡からも大量の殻が発見されているということで、おそらくその頃から大きな豆を選別して育てていたんでしょうね。
野菜も果物ももともとは小さく硬くて食べにくいもののをだんだんと大きく食べやすいものに改良した先人たちの積み重ねの上で我々の食生活はあるのだなとつくづく思います。



植物生理学的には落花生が受精後に伸ばすトゲのようなものを子房柄(しぼうへい)いいます。この子房柄が地面に刺さりストレスを感じることで実が大きくなるということで、地面にしっかり刺さらないと落花生の実は成らないんですね。
地下で育つことで鳥やカメムシの食害は受けませんが、よくコガネムシの幼虫に食べられています。なので一概に食害を避けているとも言えずそのあたりは生命の神秘でしょう。

昔も今も落花生は保存食としてすぐれています。乾燥させて炒っておけばしばらくは食べ続けられるのがいいところです。

しかし、せっかくの家庭菜園で嬉しいのがゆで落花生ですよね。

茹で落花生は若干の早どりがおすすめです。獲り遅れると乾燥して硬くなり、早くも新芽を出し始めるヤツまで出てきます。

本当は8月下旬から9月上旬の短い時期が旬と言えるでしょう。

圧力なべを使えば早いのですが、屋外でみんなで食べるとなると30分ぐらいしっかりと塩ゆでする必要があります。


※採れたて美味対決!落花生VS枝豆なんでこともついやってしまいます。

 

しかしさすがに別格の味わいですよね。
まだ豆が小さい若サヤはサヤごと食べてみるのもおすすめです。
というわけで今回は、旬の落花生の楽しみ方という王道なネタでありました。

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文・写真  小野淳
㈱農天気 代表取締役 農夫
NPO法人 くにたち農園の会 理事長
東京・国立市を拠点に幅広く農体験を提供
「都市農業必携ガイド」(農文協)
監修・実演「菜園ライフ~本当によくわかる野菜づくり」(NHKエンタープライズ)
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