キンカントマト再始動の夏
交流
小さなトマトがつなぐ、大きな想い
1948年頃から大阪・北摂地域の市民の手で受け継がれてきた“市民種”キンカントマト。2025年、「キンカントマトプロジェクト」として、この夏は関西の体験農園でも栽培に挑戦しました。世界にわずか約300粒と言われる貴重な種を、次の世代へつなぐ試みです。
8月1日には発起人の寒吉(カンキチ)さんを中心に、各地で育ったキンカントマトを集めた「食べ比べ会」を開催。6年ぶりとは思えない、和やかな雰囲気の中、見た目や甘味、酸味、旨味の観点でトマトを評価をしました。

「同じ品種でも、育つ場所によって味が変わるんですね」
テーブルの上には、農園ごとに育ったキンカントマトがずらり。
6月中旬の梅雨明け以降は高温が続いたにもかかわらず、立派な実が多く並びました。
「少し酸味があって、サンマルツァーノに似た味わい。加熱すると旨味がぐっと増す気がします」食べ比べを通して、栽培の工夫や地域による違いなど、参加者の会話が弾みました。

寒吉さんは「同じ品種でもこうも味が違う。食べ比べるとそれぞれの個性が見えて面白いんですよ」との言葉がありました。それぞれが試行錯誤しながら、一粒一粒を大切に育てました。採れた種は一旦集め、来季は関西に加えて関東・東海地域への配布を目指しています。小さなキンカントマトを通して、“種をつなぐ喜び”と、“育てて味わう楽しさ”を感じられる時間となりました。その種が、全国へと広がろうとしています。

※プロジェクトの背景や理念については、マイファームのプレスリリース(2025年4月2日)もご覧ください。
