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農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ【vol.8】

農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ【vol.8】

皆さま、こんにちは!
種まき事業部のませです。
だいぶ秋らしい日が続くようになり、見上げるとすっかり夏の入道雲が見えなくなり秋らしいうろこ雲に変わってきていますね。
そろそろ植えつけも落ち着き、サツマイモを掘り始めるころではないでしょうか?そこで今回の株式会社 農天気代表 小野淳さんの「一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」ではさつまいも栽培の裏ワザをご紹介していただきました!
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第8回『サツマイモのツル切り』

皆さんツル返ししてますか?
「そういえばしばらくツル返してないな~」と思った方はすでにツウですね。
栽培は簡単で、秋の代名詞ともいえますが5月~10月までがっつりとスペースを取ってしまうサツマイモはなかなかに家庭菜園では手を出しにくい品目かもしれません。
とにかく夏以降のモジャモジャたるや相当なものです。

サツマイモのツル返し(右)before (左)after
ちなみにサツマイモは「ヒルガオ科」ですので朝顔や空心菜の仲間です。
朝顔のように支柱に絡ませられればいいのですが、小ヅルが出ないのと重量に耐えられるだけの支柱を作ることが難しいためか立性栽培は見たことがありません。
カボチャやスイカでさえも支柱栽培があること考えると、もっともスペースをとる野菜といえるかもしれません。
で、冒頭のツル返しですが、これはサツマイモの栽培では基本。
ツルからはドンドンと根が伸びていくため、ツルが伸びた先でもその場に根を張ってしまいます。
放っておくと肝心の株元のイモは大きくならずに中途半端に途中から出た根が肥大していってしまいます。

※あちこちから根が出てしまうと収量が減る
なのでマメにツルを持ち上げてひっくり返すことで根を切って株元の肥大を促進しようというのがツル返しです。
ここまではサツマイモ栽培のマニュアルには大概書いてある基本ですが、今回紹介したいのはもう一歩踏み込んだところ。

皆さん、サツマイモ収穫後のツルの処理に困っていませんか?

収穫する際にツルを切るばあい、ひとまずモジャモジャを山にした状態でそのまま畑においてあるのをよく見ます。
しかしそのモジャモジャは冬になっても残っているし、残さとして処分しようにも乾燥したツルも意外に丈夫だったりして厄介なものです。
いっそのことツル返しするついでに茎をバシバシ切ってしまってはどうでしょう?
もう9月ごろになってくると芋も大きくなって収穫寸前ぐらいの状態になっていることも多いです。株元の土をよけてそこそこに育っている場合、長々と伸びたツルの生育はほとんど芋の肥大に影響しません。
いずれ残さとしてツルを処理することを考えるならば株本周辺2mぐらいを残してツルを切ってしまい、もうひと手間さらに短く押し切りや剪定はさみなどで30㎝程度の長さに刻んで乾燥、気温の高いうちに土にすきこんでしまえば分解されてしまいます。
冬の間もツルが残っていると、土づくりなどもしづらいですからね。
ちなみに切ったツルは皮さえ剥けば野菜として食べることもできます。まあ空心菜と同じ仲間ですから、ツルを食べるのも納得ですね。ほのかに甘くて味噌汁の具として青物が不足がちの8月9月の野菜としても有用です。

    早めのツル処理ぜひやってみてください。

\\今までの「農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」はこちら!!//
■第1回:『「マニュアルどおりにしっかり栽培」だけじゃツマラナイ』はこちらをクリック
■第2回:『夏場のトマトを長く収穫し続けたい』はこちらをクリック
■第3回:『夏から秋へ狭いスペースでうまく栽培品目を切り替えるには』はこちらをクリック
■第4回:『秋ジャガイモを失敗しないコツ』はこちらをクリック
■第5回:『ダイコンが「カツオの一本釣り」となる前に』はこちらをクリック
■第6回:『植えたばかりの苗を虫に食われないようにするためには?』はこちらをクリック
■第7回:『今からでも遅くない!?エダマメ・トウモロコシ・ズッキーニ』はこちらをクリック
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文・写真  小野淳
㈱農天気 代表取締役 農夫
NPO法人 くにたち農園の会 理事長
東京・国立市を拠点に幅広く農体験を提供
著書「都市農業必携ガイド」(農文協)
監修・実演「菜園ライフ~本当によくわかる野菜づくり」(NHKエンタープライズ)
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