農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ【vol.13】
皆さま、こんにちは!
種まき事業部のませです。
11月に入ると一通りの農作業が落ち着き、農園へいくことも少なくなってきますよね。
そこで、今年の冬は新しい土作りを試してみませんか?!今回は生ごみを使った畑づくりの裏技を、株式会社 農天気代表 小野淳さんの「一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」でご紹介いたします!
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第13回『生ごみをそのまま畑に投入!?楽々生ごみ活用術』
先日発行された「マイファームつくる通信 霜月(11月)」号の連載「アグリ・プロジェクト2.1」は読んでいただいていますか?
地域のコミュニティ農園と連携して子ども食堂を運営する学生団体「C-plant」を紹介しました。
【マイファームつくる通信についてはこちらをクリック】
今回紹介する裏ワザはこのコミュニティ農園「せせらぎ農園」が実践するユニークな農法についてです。
東京・日野市にある「せせらぎ農園」は「まちの生ごみ活かし隊」という市民団体が運営する農園です。毎週2回だれでも参加でき、作業を手伝いさえすれば収穫した農産物を持ち帰れるという活動をしており参加費も無料です。
市民団体の名称にもある通り「生ごみを活かす」ことがこの農園の主な事業です。周辺住民の生ごみを畑で堆肥として活用することで生ごみ減量につながるということで、日野市のごみゼロ推進課から回収に当たる委託費が出ており運営に当てています。
いわば「生ごみ処理農園」とも言ってしまうとあまりイメージ良くありませんが、毎回20名ほどのメンバーが参加して作業に当たり、実際にはとても綺麗に農園が保たれています。
1日およそ100件づつの家庭をトラックで回り生ごみを回収。毎週200件の家庭の生ごみがせせらぎ農園では土に返っているのです。
※下はゼロ歳から上は80代まで幅広い年齢の皆さんが活動しています
生ごみを堆肥化しているというと、堆肥場があって水分の多い生ごみを乾燥させながら、発酵促進剤と混ぜ合わせて・・・ということを想像されると思いますが、ここのやり方は異なります。
↓こちらの写真をご覧ください。
回収してきた生ごみをそのまま畑に投入しているのです。
投入後、米ぬかと発酵促進剤の「えひめAI」をまいて軽く耕うん、ブルーシートで伏せこみます。
このまま1~3か月で次の作付けが可能になるといいます。
「本当に大丈夫?」という印象も受けますが、せせらぎ農園はこのやり方で10年以上畑を続けています。
このやり方を「土ごと発酵」といい、普及に努めている団体もあります。
通常の生ごみの堆肥化は発酵がなかなか進まなかったり、匂いがきつかったりとうまくいかないことも多いですが、このやり方であればそういった心配もなく手間も少ないのがいいですね。
面積がある程度確保できる畑や庭をお持ちの方はぜひ試してみてください。
\\今までの「農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」はこちら!!//
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文・写真 小野淳
㈱農天気 代表取締役 農夫
NPO法人 くにたち農園の会 理事長
東京・国立市を拠点に幅広く農体験を提供
著書「都市農業必携ガイド」(農文協)
監修・実演「菜園ライフ~本当によくわかる野菜づくり」(NHKエンタープライズ)
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