農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ【vol.15】
皆さま、こんにちは!
種まき事業部のませです。
早いもので、2017年もあと1ヶ月半。。。年末年始のお決まり行事といえば、餅つきですね!
なぜ年末年始に餅つきをするのか、、、?古くからお祝い事に欠かせないお餅には、神様からの魂が宿っているといわれています。年末年始は鏡餅やお雑煮に入れるため、餅つきを行う風習がずっと残っているのだそうです。
今回はそんな餅つきイベントについての注意点を株式会社 農天気代表 小野淳さんの「一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」でご紹介していただきます!
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第15回『収穫祭のシーズン!特に気を付けたい食中毒』
10月のまさかの台風2連続が過ぎ、ようやく秋らしく晴れ渡った週末が戻ってきました。
11月は各地で「収穫祭」「農業まつり」が開催されるシーズンです。
JAが主催して公的な場で行われることも多いのですが、今回は収穫祭における裏ワザ、、、というよりも注意点についてご紹介します。
11月11日、12日は私の暮らす東京都国立市でも「農業まつり」が開催されました。そして同時に運営する農園でも田んぼ会員を対象とした「収穫祭」を開催しました。
こういった催しの際に目玉となるのが「もちつき」です。
収穫祭とふるまい餅はセットのようなもので長年親しまれてきたものであるのですが、最近特に問題となっているのが「食中毒」です。
ご存知の通り、もちつきは多くの人が関わってみんなで開催するものです。
もちの切り替えし、切り分け作業など時には素手で行われることも多くノロウィルスの感染拡大の可能性が高まります。
覚えている方も多いかもしれませんが、ちょうど今年の初めノロウィルスの感染が各地で確認され全国もちつき大会の多くが中止となりました。
これに関しては「日本の伝統や食育の観点から行き過ぎる自主規制はするべきではない」という意見もメディアで散見されました。
しかし、主催者側としては万が一を考えるのはもっともなことです。私の地元でも公的な場での参加型もちつきはここ数年取りやめていることが多いです。
しかしながら、だからと言って一切やらない・・・というのは勿体なさすぎます。
私自身も毎年数回はもちつきを企画したり参加したりしていますし、なによりつきたてのもちの美味しさは別格です。
それだけに、みなさんで楽しく美味しくもちつきを続けていけるように、実施の際の注意点をまとめてみました。
まずノロウィルスの性質なのですが、非常に感染力が強いのが特徴です。
冬場の食中毒の9割がノロによるものだそうです。
<ノロウィルスの特徴>
①食品内では増殖せず、人の腸管内だけで増殖する事が出来る
②一年中発生するが、一番多いのは冬場
③感染力が高く、少量(100個以下)でも発症し人の腸管内で増殖する
④アルコールに耐性がある
意外に知らないのは④ですね。最近はインフルエンザ予防などでアルコール消毒液を置いている施設などよくみますが、アルコール消毒はノロウィルスには有効ではないのです。
一番有効なのは加熱による消毒で85~90℃で90秒間が基本とのことですので
①現場に熱湯を多く用意する
②杵臼はじめ器具類は熱湯消毒をする
③手返しの水はこまめに取り換える
④手返し・切り分けに関わる人はとくに手を石鹸でしっかり洗ったうえ、使い捨ての手袋などを利用する
ということをやったうえでさらに
なるべく焼きもちにしたり、あるいは切り分けて食べる前にひと手間かけて熱湯を通すという方法も考えられます。しゃぶしゃぶみたいですが意外によさそうです。
また、下記のように細やかに注意点をまとめたものもありますのでプリントアウトして主催者で共有するなど参考にしてください。
https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/hokenjo/syokuhin/mochitsuki.files/mochitsuki.pdf
「もやもやさまぁ~ず2」の撮影でもちつきした際にはイチゴ大福をつくりました。激うま。
どこかで起きてしまうとまた各地で中止すべきとの声が上がるでしょうから、多少面倒でもこれからも長らく続けていけるように私自身も気を付けたいと思います。
\\今までの「農天気 小野さんの一歩踏み込んだ 家庭菜園の裏ワザ」はこちら!!//
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■第2回:『夏場のトマトを長く収穫し続けたい』はこちらをクリック
■第3回:『夏から秋へ狭いスペースでうまく栽培品目を切り替えるには』はこちらをクリック
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文・写真 小野淳
㈱農天気 代表取締役 農夫
NPO法人 くにたち農園の会 理事長
東京・国立市を拠点に幅広く農体験を提供
著書「都市農業必携ガイド」(農文協)
監修・実演「菜園ライフ~本当によくわかる野菜づくり」(NHKエンタープライズ)
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